第98話 選択
「……これがわたしの記憶のすべて」 リートは瞼を開けた。 自分の隣を見てリートは驚いた。そこにはユーリエがいた。 どうやらユーリエも同じものを見せられていたらしい。「どうすればいいの? どうすれば、彼を止められる?」 リートがそう訊ねると、…
RIHITO第11章 文章RIHITO
第97話 エヴェリーンの過去(3)
騎士たちが去り、その場にはユストゥスとエヴェリーンだけが残された。「……本当に行くのか? これはアウグストと貴族の自業自得だ」 ユストゥスが硬い表情で言うと、エヴェリーンが目を伏せた。「わかっているわ。でもわたしはこれ以上彼に……エルフリ…
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第96話 エヴェリーンの過去(2)
また場面が変わった。 人々が逃げ惑っている。 黒ずくめの装束に白い仮面。リヒト原理主義者だ。「リヒトに自由を!」「リヒトを解放せよ!」「エヴェリーン様をお救いするのだ!」 自分の命も省みず、捨て身で突撃を繰り返す原理主義者に、武装したソリ…
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第95話 エヴェリーンの過去(1)
リートは目を開けた。 そこは会議室のような場所だった。 ハインリヒが着ていたような、黒い宮廷服を着た男たちが等間隔に席に坐っている。 これはエヴェリーンの記憶だ。自分の姿はだれにも見えていないのだろうとリートは思った。閣僚の一人が立ち上が…
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第94話 リヒトの理(ことわり)
エルフリードは坐ったまま、指揮するような仕草ですいっと手を動かした。 まるで見えない糸で操っているかのように、短剣が勝手に浮き上がり、ミヒャエルの身体を何度も刺し貫く。 声にならない悲鳴がミヒャエルの口から漏れる。 ミヒャエルは頭の片隅で…
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第93話 救いがなくても
ルイスはアンスヘルムをまっすぐに見据えた。 赦しなどいらない。 そんなものを望んだことは、今まで一度もなかった。「断る。他人を犠牲にしてまで生きることになんの意味がある」「そうでしょうとも。両親と婚約者を犠牲にしてあなたは生きているのです…
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第92話 想いの強さで
「初めまして。あなたがアルベリヒね」 なんとか平静を装ってエミリアがそう言うと、アルベリヒがうっすらと微笑んだ。「決闘王女。あなたのことはよく知っていますよ」「直接会ったことはないのに?」「彼女から聞きました。王宮に来る前から、彼女はあなた…
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第91話 囚われの騎士
「ヴェルナー」 名を呼ばれ、振り向いたヴェルナーは目を丸くした。 そこに立っていたのはアルフォンスだった。 ヴェルナーはいつも通り、ソリンの同僚たちと訓練場で剣術の稽古をしている最中だった。「珍しいな、おまえがここに来るなんて。ソリン嫌いが…
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第90話 百年の孤独
メルヒオルとユストゥスは、王宮内のある部屋を訪ねていた。 秘書に案内されて二人が部屋に入ると、髪も髭ひげも見事に真っ白な老年の男が近づいてきた。「メルヒオル。蟄ちっ居きょ中ではなかったのかね」「すまないね、ニコラ。だが事は緊急を要す事態で…
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第89話 謀反
トリスタンたちは、王宮を出たところで、やっとアンスヘルムに追いついた。 剣を構えたまま、トリスタンは行方をくらませていた同僚に険しい視線を向けた。「……アンスヘルム。おまえがルーツィア嬢を殺したのか」「ええ」「なぜそんなことを」 しかし、…
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