RE∞PLAY (1-20)

第8話 信じること

「君はこっちでなにをしてるんだ?」「建物のデザインをしてるの。自分で考えることもあるし、だれかが設計したものをわたしが力を使って具現化することもあるわ。わたしは細かいことに力を使うのが苦手で、大きいものしか作れないから」 そこでメグが両腕を…

第7話 ピクニック

 扉を開けた先には、鮮やかな緑色の芝生が一面に広がっていた。実際にその上を歩かなくても匂いでわかる。人工芝ではなく、すべて天然の芝だ。 シュンたちの立っているすぐ近くには小川が流れていて、向こうには花畑や森が広がっている。ビルや工場の類はど…

第6話 再会

 男がいなくなった部屋の中で、シュンは椅子から立ちあがり(もう拘束は解けていた)、憤慨しながら辺りを歩きまわった。「なんなんだよあいつ。言いたいことだけ言いやがって……なにが自由・平等・博愛だよ。ただの冷血漢だろ」 吐き捨てるように言ったあ…

第5話 拉致

(……やっぱり最悪だ、この会社) ふらついた足取りで廊下を歩きながら、シュンはそう思った。 なんとか期限には間に合ったものの、出来は最低だった。 プレゼンから帰った社長が全員を集め、クライアントがいたく喜んでいたことを報告していたが、シュン…

第4話 シュンの職場

次の日、シュンは珍しく一度目のアラームで起床し、業務開始時刻までに余裕をもって出社した。 自分以外はだれも乗っていないエレベーターの中で、シュンは首にかけた社員証を手にとり、そこに映った自分の姿に思わず苦笑した。(……相変わらず、嫌そうな顔…

第3話 雨上がりの街で

 歩きながら、シュンはため息をつきたい気分だった。(女の人に街を案内するって、あの有名な映画じゃあるまいし) とある国の王女が公務で訪れた滞在先を抜けだし、お忍びで街を散策して、案内してくれた男性と恋に落ちる。そんな一日を描いたロマンス映画…

第2話 彼女の正体

 濡れた髪と服をタオルで拭きながら、シュンは部屋の中でため息をついた。(ずぶ濡れの女の子がいたら、俺は家に上げるのかよ……) 我ながら現金すぎるし、チョロすぎる。 とりあえずシュンは女性を浴室に放り込み、シャワーを浴びさせた。(違う。濡れて…

第1話 憂鬱な朝

 ずっと、同じ毎日を繰り返している。 最近シュンはそう思うようになっていた。 一回目でも二回目でもなく、三回目の携帯電話のアラームを止め、シュンは布団の中でまた固く瞼を閉じた。 ――会社に行きたくない。 会社勤めの人間ならだれでも一度は思う…