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第10話 夢とひらめき

 熱い。 そう思いながら、シュンは一糸纏わぬ姿のメグに口づけていた。揺れる胸を寄せながら、メグが細くくびれた腰をシュンの昂りに擦りつけ、開いた脚をシュンの腰に回す。 ああ、すごくいい。 心地よい陶とう酔すい感が頭を支配して、なにも考えられな…

第9話 博愛主義

 それからシュンは毎日メグと会って、力の使い方を教えてもらった。メグに会う以外の自由はなかったが、もともと人づき合いは苦手だし、休みの日も部屋に引きこもっていることがほとんどだったので、シュンはたいして気にならなかった。 時間のほとんどは力…

第8話 信じること

「君はこっちでなにをしてるんだ?」「建物のデザインをしてるの。自分で考えることもあるし、だれかが設計したものをわたしが力を使って具現化することもあるわ。わたしは細かいことに力を使うのが苦手で、大きいものしか作れないから」 そこでメグが両腕を…

第7話 ピクニック

 扉を開けた先には、鮮やかな緑色の芝生が一面に広がっていた。実際にその上を歩かなくても匂いでわかる。人工芝ではなく、すべて天然の芝だ。 シュンたちの立っているすぐ近くには小川が流れていて、向こうには花畑や森が広がっている。ビルや工場の類はど…

第6話 再会

 男がいなくなった部屋の中で、シュンは椅子から立ちあがり(もう拘束は解けていた)、憤慨しながら辺りを歩きまわった。「なんなんだよあいつ。言いたいことだけ言いやがって……なにが自由・平等・博愛だよ。ただの冷血漢だろ」 吐き捨てるように言ったあ…

第5話 拉致

(……やっぱり最悪だ、この会社) ふらついた足取りで廊下を歩きながら、シュンはそう思った。 なんとか期限には間に合ったものの、出来は最低だった。 プレゼンから帰った社長が全員を集め、クライアントがいたく喜んでいたことを報告していたが、シュン…

第39話 決別

 リートたちを見送ったあと、ミヒャエルは扉を閉め、執務机に向かって歩を進めた。 椅子に坐ったまま、こちらの様子を窺うかがっているハインリヒと、ミヒャエルは机を挟んで向かい合った。「閣下。天啓者の件はお断りします」 ミヒャエルが単刀直入に言う…

第38話 ミヒャエルの謎解き

「殿下、お待ちください!」 秘書官の制止を聞かず、エミリアは扉を開けて中に入った。リートたちもそれに続く。「なんだ、騒々しい。今日の面会の予定はすべて断ったはずだぞ。無礼な人間は即刻帰らせろ」 ハインリヒが不機嫌な声で言いながら、読んでいた…

第37話 ハーナルの騎士団長

 リートとエミリアは、王宮の入り口の所でルイスとミヒャエルの帰りを待っていた。 二人の周りには、トリスタンとほかの近衛騎士たちが控えている。「ほんとに、二人はここに戻ってくるの?」「そのはずよ。ミヒャエルがルイスの言うことを聞いていればだけ…

第36話 罠

 自分を信じること。それがどういうことなのか、今までリートはよくわからなかった。だが、今は少しだけわかる。大事なのは、だれかの教えに服従することではなく、自分の感じ方と考え方を大事にすることなのだと。「だから、僕はあなたたちの言うことを信用…

第35話 潜入

 ミヒャエルとルイスが足を踏み入れた建物は、外観こそ教会のようだったが、中はまるで違っていた。 ミヒャエルは注意深く辺りを観察した。 入ってすぐの所に、酒場のような細長い天板机が設置されている。ここでだれかが訪れた人間となにかやりとりをする…

第34話 作戦開始

 その男の指は、長く繊細でほっそりとした形をしていた。 男の指が、馬をかたどった黒色硝ガラ子スの騎士の駒にかかり、白と黒の市松模様の描かれた盤上を滑るように移動させる。 男の服装は奇妙なもので、上は襟飾りからシャツ、胴着ベスト、上着、下は長…